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スカイベリー ・報道について [栃木の名産(食べ物)]

姉妹blogより、以下、転記します。


記:

” 思い入れだけでは通用しない’海外マーケット ”

「栃木のいちご、フランスへ輸出する試み」
報道で見ました。

【スカイベリー】一粒500円という高級いちご、フランスへ輸出しようという挑戦。
栃木県産のイチゴ、スカイベリー。大きさは、一般的なイチゴのおよそ3倍。酸味が少なく、甘い果汁をたっぷり味わえるのが特徴。
目指すのは美食の国・フランス。
「フランスの食文化が、非常にレベルが高いと一般的に認識されていますので、高級品というイメージを高めるためには、フランスはひとつのターゲット」
フランスに届けるには、輸送や検疫で少なくとも4日はかかります。輸送中に少しでも傷がついてしまった場合、4日も経過してしまうと、傷から傷みが広がり、商品価値がなくなる。
茎を、台座の裏にある樹脂に通して固定し、ヘタを下にした状態で安定させる仕組み。 実がどこにも触れないので、輸送中にイチゴの表面が傷むことはありません。衝撃に耐えられるのか、ドンと箱ごと落とします。 表面を確認。個別の容器に入れたイチゴは、傷つきませんでした。
容器のコストは1つ200円、高級イチゴとしてフランスで1粒1,500円で売れば、輸送費や業者の取り分を差し引いても、農家に十分な利益が残ります。
高級レストランなどで需要が見込めると、現地の関係者が認めた値段。

と、こんな内容でした。(NHK報道より)
スカイベリー壱
製品の品質保持は大切。しかし、商売の可能性についてはもっと多角的に検討が要る。
フランスではフルーツの価格は日本より安い。メロン、リンゴなど、日本の半値とも聞く。
日本のように贈答品として利用される頻度も少ない。
一粒1500円といえば、こちら(日本人)の感覚に直すと3000円くらいでは?
食文化の豊富なフランスでも、食器への意識・気配りは日本料理と比べてかなり低いと感じる。
また、デザート、ケーキなども日本の方が装飾、味の点でレベルは高いと思う。
高級なレストラン向けといってもマーケットはかなり限られてしまう。

商品のいちごが500円として、容器単価200円もコスト意識ゼロ、これだけ費用をかけるなら大学の研究室でなくてもたいてい同様の容器はつくれるのでは?この10~20分の一に抑えてこそ、研究して特許をとったと誇れるはず。また、テレビの報道では落下実験を見たが、外容器の一部に直接圧力のかかる(例えば、他の積荷がいちごの荷物の上に置かれる等の)事例では、容器に損傷がなくても、密閉した空気の圧力がいちごにかかる場合もあるかもしれない。そういう実験はしたのだろうか?品質に影響はないのか?

そもそも、スカイベリーはフランス人好みの味か?
甘いいちごでも味は淡泊。ドリアン、メロンのように豊潤ではない。
とちおとめもスカイベリーも、品種改良を重ねてつくられた産物。昨今のいちごは、日持ちと痛みにくさという売り手側の都合に重きが置かれてきた。
香りがほとんどない。昔のいちごのように、甘く熟れた香りがあまりしないのだ。
スカイベリーを何度となく口にした。しかし、本当に美味しい、高い金額に合うと感じたいちごの生産者はたった数件、生産に参入する農家が増えるにつれ、中途半端ないちごが多く出回ることは懸念されている。この点について、国内ですらブランドの確立は危ういのではないか?

一般にフランスで市場に流通しているいちごは酸味の強いいちご。
練乳、生クリーム、砂糖、これらを添えて食べて、おいしいと消費者が満足している場合、
「新鮮、生でも甘いいちご」への期待は薄いのでは?
ケーキや生クリームと一緒に食べるいちごは、かえって若干酸味がある方が美味しい。
それなら、冷凍品、廉売品でも用は足りる。

見た目大きく立派、新鮮・取立て、生でも甘いいちご。
日本、特に産地の思い入れは理解できる。しかし、海外の人にはそういう思い入れはないので、
ビジネスとしてマーケットへ受け入れられるかどうか?
さまざまな検証が要る。

業種、品目、国名については言及を避けるが、ある化学品を装置に添着した部品(ディバイス)を海外の工場のプラントに組み入れて使用すべく、化学品メーカーさんと輸出に取り組んだことがある。メーカーさんは自社製品に誇りをもっていて、実際、性能は他国の競合品よりもずっと優れていると実験データは示していた。日本国内でもその製品は広く支持されていた。しかし、何度も何社へも売り込みを図ったが、勝てない。メーカーさんは固執し続けていたが、すぐに判った。
そんなに優れたデバイスである必要はなかったのです。相手の国、市場のニーズに合った製品であることが契約の成立の条件のまず一歩。
以上
管理人
2015.02.07

"追記":為替リスクについて、
取引の建値が円建てでない限り、常に為替の変動リスクが伴う。
上記の場合、円建ての取引を日本側が望んでも、相手国はドル、ユーロ建てを契約の条件と希望するはず。
フランスの顧客が商品のいちごを継続して購入する契約が成立した場合、購入価格はそうそう変更できない。ドル、ユーロに対して円が10%,20%高く変動した場合(円高)、コストが上がったからと、契約価格に転嫁はできないのだ。その場合、為替の変動リスクは日本側の価格で調整しなければならなくなる。つまり、生産者がいちごを出荷する価格500円(1500円がフランスの顧客の購入価格である場合の値)を下げなくてはならなくなる。為替変動が大きく円高に振れるほど、生産者の負担は大きくなる。途中で採算が合わなくなったからと言って、出荷を止めてしまうと商売はもう継続できなくなる。どこまで為替の変動を受忍できるか?あらかじめ初期の見積もりの時に検討しておかなければならない。
以上

管理人
2015.02.17

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